ツキノワグマとの出会い方別の対応。
- 山、町や里、渓流釣り、見通しが効くか否か、などの場所
- 熊との距離がどのくらい離れているか
- 単独なのか、親子連れなのか
それぞれ詳しく解説していきます。
前提として…
突然ですが、もしもあなたが見たこともない生き物に出会ったらどうしますか?
ある程度の大きさ(仮に、自分の身長の半分~同じくらいとします)で手足があり、動いている生き物です。属に言う「UMA(未確認生物)」ですね。
どのような動きをするのか分からない。どんな速さで動くのか、どれほどの力があるのか、知能はどのくらいなのか・・・。
想定外に出会ったらビックリするのはもちろんですが、得体の知れないものなので、恐怖を感じるのは当然です。

一方、私たちは熊のことを知っています。どのような見た目をしていて、どのように生きているのかは、TVやインターネット、本や新聞などで目にしますし、動物園に行けば実際に見ることだってできます。
ただ、人間を見たことのある熊はほんの一握りですので、熊からすれば私たち人間はUMA(得体の知れない生き物)です。「何!?あいつ!?」とビックリしますし、恐怖も感じます。
そのため、出会ったときにすぐ「わ!人間だ!あいつら弱いから襲ってやろう!」となる熊は、ほぼいません(人を襲ったことがあり、味を占めたごく稀な個体は別ですが)。
とはいえ、「恐怖を感じる → 身の危険を覚える → 逃げる! or ヤラレル前にヤル!」となるのは必然。ですから、熊が人間に向かってくることがあるのです。
それを前提として、状況を思い浮かべながら読み進めていただけると幸いです。
山で熊と出会った場合
山菜採り、キノコ採りなどで山に入るときはもちろん、登山道でも熊と出会う可能性があります。
「山で熊と出会った!」とはいえ、熊との距離や熊が単独なのか親子連れなのか、といった状況によって対応が変わってきます。
熊との距離が50m以上離れている
山で50m以上離れて熊が見えたら、緊急性はありません。少し木を叩いたりしながら、気付かぬフリをしてると熊は居なくなります。
ただし、不運にも性格の悪い熊なら別かもしれない点は念頭においておきましょう。
とはいっても、50m以上離れていると、人が騒がない限り襲って来る熊は稀です。
50m以上離れている&親子連れ
50m以上離れているところに親子連れの熊を発見したときは、刺激すると子熊を避難させて襲って来るかもしれないので、そっと逃げましょう。
距離の離れている親子連れの熊を脅かしてはいけません。
熊との距離が25m以下
熊との距離が25m以下で、単独の熊なら、慌てて逃げたりしないで黙って引き下がりましょう。
25m以下ともなるとだいぶ近いので、焦ってしまいがちですが、急激な大きい動きは避けるのが賢明です。
癖の悪い熊でないと襲ってはきません。
25m以下の距離&親子連れ
25m以下で出会う親子連れの熊は、まあまあ危険です。
熊がこちらの存在に気づいていれば、母熊が子熊を木に登らせて襲って来るかもしれません。なるべく早く静かに下がってください。
熊との距離が10m以下
単独の熊で、熊と自分の距離が10m以下の場合でも、慌てる必要はありません。熊撃退スプレーなどを用意してゆっくり下がりましょう。
音も声も出さないように下がると、ほとんどの場合は熊が逃げます。
ただし、熊の性格が悪ければ襲ってくる可能性があるため、熊撃退スプレーはいつでも噴射できるようにしておいてください。
10m以下&親子連れ
10m以下の距離で出会う親子連れの熊は一番危険です。
母熊は、子熊の安全を1番に考えます。木に登らせたら襲って来ます。そして確実に人間を怪我させます。
一度襲って去っても、子熊の安全を確認してから、もう一度襲って来ることがあるので注意が必要です(つまり2度目の攻撃)。
私たち人間の母親が命がけで子どもを守ろうとするのと同じように、母熊の子熊に対する愛情は強いです。
熊撃退スプレー、熊対策の棒などを駆使して向かってくる熊がいなくなるまで、自分の怪我が最小限になるように戦う(耐える)しかないです。
自分の怪我が軽症で済んだらラッキーと思ってください。
ただし、先ほども触れましたが、2度目の攻撃があるかもしれないため、熊が去った後も油断は禁物です。注意して山から下りてください。
山で誤って熊の栖(土穴、岩穴)に近づいた
普段山に入らない人であればなかなか見分けがつかないかもしれませんが、誤って熊の栖(巣、住みか、寝ぐら、巣穴)に近づいてしまった場合、すぐにその場を離れてください。
山は静かで話し声も通るので、熊は人の話し声を聞いているかも知れません。そして熊も怖がっています。
穴のなかで「外に何かいる…」と、初めはじっとしているものの、刺激を与えると恐怖心が最大になり襲って来ます。熊が自分の安全を確保するためです。
そのため、熊が中にいるかもしれないと思われる穴を見つけたらすぐに離れましょう!
大体は急斜面にあるので、逃げる際は転倒などしないように落ち着いてください。
人がいなくなったその晩には、熊は栖にしていた穴から逃げます。一度人が近づいてきて熊も怖い思いをしたので、辺りが静まって安全と思われるときを見計らい、他の寝場所を探します。
山で熊が冬眠する木を見つけた
もしも山で熊が冬眠する木を見つけたときは、静かにしていると出て来ることはありません。
しかし、木の中では人の声などは良く聞こえます。個体差がありますので、必ず出てくるわけではありませんが、敏感な熊は出てくるケースもあります。
また、入り口が低い場合は、出てきて襲う場合があります。
基本的には静かにしていれば大丈夫ですので、栖穴を見つけたときと同じようにその場を離れるようにしましょう。
町・里
町や里に出てきた熊は、既にテンパっている可能性があります。そのため、出会ったら襲われると思いましょう。
それは親子連れであれ、単独個体であれ同じで、襲われなかったらラッキーです。
自分の行動範囲である山を降りて行ったことのない未開(熊にとっては)の地に来た熊は、通常の精神状態ではありません。熊から見れば、町・里は常に危険と隣り合わせの状態ですので当然です。
そのため、建物や車が近くにあればすぐに避難する、応戦できる道具を探してすぐ戦える状態にするなど、自分の身を守る行動をとってください。
渓流釣り
渓流釣りでは、割とよく熊に出会います。熊が水を飲みにくることもあります。
ただ、静かに釣りに集中しているため、人も気が付かないケースが多いです。熊も沢水の流れる音で気づきにくいので、そのままお互いに何事もなく済みます。
とはいえ、接近すると襲って来る可能性がありますので、熊撃退スプレーを用意して戦う準備もしなければなりません。
渓流釣りをする際は、釣りに集中していても周りの状況をよく見ておきましょう(水の音にかき消されるため、聴覚よりも視覚を大事にしてください)。
【どこでも】見通しが効かない場所
見通しが効かない場所で熊と出会ってしまったときは、お互いにビックリするので襲って来る場合があります。
ただし単独なら逃げることが多いです。親子連れなら確実に襲って来ます。
背を向けて逃げたらやられるので睨めっこして引き下がりましょう!そして、襲って来るまでは大声は出さないことが重要です。
もしも襲って来たら応戦します。そして万が一、「もう戦えない」と思ったら、伏せて首を守りましょう。
状況 | どうなる?どうする? |
---|---|
単独の熊 | 向こうが逃げてくれる場合が多い |
親子連れの熊 | ほぼ確実に襲ってくる |
こちらが背を向けて逃げる | 追いかけられる(そのため背を向けない!) |
こちらが大声を出す | 襲われる(そのため大声を出さない!) |
襲ってきた! | 身の回りの物で応戦! |
「もう無理…」 | 伏せて首を守る |
熊との遭遇に備えて準備しておきたいもの
熊に出会わないため、そして出会ってしまったら身を守るために、熊対策として準備しておきたいものをまとめます。
熊対策の槍|山菜採りポール 熊撃退
万が一、熊に出会ったら、ナタ・ナイフ(サバイバルナイフ)・カマなどでは撃退できません。
なぜなら、熊の爪や牙が自分に届く位置まで熊を近づけてしまうためです。
熊行動スピードは、想像以上に早いです。そのため、熊を撃退するには、槍のような道具が適しています。
2023年に熊と格闘した経験から、山によく入る私が最も欲しいと思うグッズを考案しました。
商品名 | 山菜採りポール【熊撃退】 |
価格 | 12,000円 |
送料 | 着払い |
全長 | 170cm |
突起物の長さ | 15センチ以下(各種届け出不要で銃刀法違反に引っかかりません) |
重さ | 655g以下 |
刃先保護 | 本革カバー付き |
持って山に入れば、山菜取りの道具としても使えますし、万が一の時にも最低限クマの攻撃をかわせる長さを備えています。持ち運びに適した設計にしました。
突くように熊を攻撃するのがコツです。
入山・渓流釣り・キャンプのお守り|熊避けスプレー
使わないのが一番ですが、もしもの時に身を守る準備をしておきましょう。
元祖熊避けスプレー。カプサイシンで熊を逃がします。
持ち歩きの際は、すぐにスプレーできるようにホルダーに入れておくのがおすすめ。リュックの中ですと取り出すまでに時間がかかってしまうためです。
商品名 | 熊避けスプレー【原生林の熊 お墨付き】 |
価格 | 17,800円 |
送料 | 500円 |
サイズ | 5.2×22cm |
重さ | 230g |
噴射範囲 | 9m |
どんなに優れたお守りでも、もしもの時に上手く使えないといけないので、購入後はいちど外の広いところで試しに噴射してみましょう。
そもそも熊を寄せ付けない|熊避け鈴
自然の中での安全対策として、ぜひおすすめしたいのが熊避け鈴。
熊避け鈴はいろんな種類が売っていますが、まず一番は「遠くまで鳴り響く」こと。遠くまで音が聞こえないと熊が気づかずに近くまで来てしまいます。
丈夫な紐をちょっと長めにして、腰につけるのがポイント。歩くたびに太ももに当たって音が鳴ります。
商品名 | 綺麗な音が響く熊避け鈴 |
価格 | 3,400円 |
送料 | 無料 |
プレゼント品 | ケブラー紐 |
2個持ちがおすすめですが、1つでも十分効果があります。
※熊避け鈴と熊避けスプレーのセット販売もしております。20,800円で、単品での購入よりお得です。
事前のシミュレーションに!
熊と出会ったときの対応を1度で覚えられれば良いですが、その時の状況によって対応も様々ですので、何度もシミュレーションしておいたほうが良いです。
そのため、下の画像をプリントアウトして、たまに見返しておくと安心かと思います。
入山・渓流釣り・キャンプの準備の際にチェックする習慣をつけましょう。
印刷推奨!熊と出遭ったときの状況別の対応

