当ページでは、「熊撃退シリーズ」として展開している「山菜採りポール 熊撃退」と「タラの芽採りポール 熊撃退」の使い方を分かりやすく紹介します。
前提として
熊撃退ポールは、やむをえず熊に襲われることになってしまったときに使う道具です。熊と闘うというより、熊のアタックをしのぐ・熊との距離を取るための道具としてお使いください。
- 熊に痛手を負わせようと思わない
- 自分の怪我を最小限に抑えることに集中する
- 熊の生態や考えられる行動について学んでおく
- ポールだけでなく、他の対策も十分に行う
このポールは熊を叩くのではなく、突くようにして使うのが正解です。
熊の行動と攻撃力
熊のスペック
- 異常に鋭い爪
- 長くて大きい牙
- 硬い皮膚
- 分厚い皮下脂肪
- 猫並みに素早い動き
- 強いパンチ力
- 骨を砕くほどのアゴの力
- 細い枝からも落ちないバランス能力
人の足では熊に勝てません。追いかけられれば必ず追いつかれます。腕や足、頭などを噛まれたら骨が砕けるでしょう。もし何も道具がなければ怪我するのは確定です。
とてつもないパワーがあるにも関わらず、バランス能力が高くて猫のような素早さがあります。そのため、棒で叩こうとすると、棒を掴んでくるでしょう。(実際に熊と闘ったときに、私も一瞬 棒を掴まれました。)
硬い皮膚、厚い皮下脂肪は、どのくらい強い防御力があるのか?と思う方もいるかもしれません。答えは簡単で、「熊自身の持つ鋭い爪や大きい牙、とてつもないパワーで攻撃をくらっても致命傷にならないくらいの防御力」です。
それを踏まえた上で、熊撃退ポールを正しく使用してください。
熊撃退ポールの正しい使い方

もしも熊に出会ってしまい、かつ、熊が自分に向かってきたら、重心をしっかりと落として熊撃退ポールを小刻みに突くようにして熊の攻撃が自分に当たらないようにします。
突いたあとは素早く引きます。決して熊の身体に刺そうとしないでください。もし上手く刺さったとしても、その傷は浅く、今度は熊の身体からポールを抜くまでの1~2秒の間にポールを掴まれて攻撃される…といった未来が待っています。
攻撃されて倒されたら、頭をかじられることが予想されます。(多くの熊被害の状態からも分かるように、熊は人の頭や顔を狙います。)
親子連れの熊でなければ、人が倒れなければ淡白な攻撃になりがちです。そのため攻撃を受けている間は突く動作を繰り返し、倒されないように耐えましょう。
私の場合もそうでしたが、親子連れの母熊は人に怪我をさせるまで執着して襲ってくる可能性が高いです。とにかく熊のパンチが届かない距離を保ってください。
叩かない理由
「叩くのではなく、突く」と何度も繰り返しておりますが、叩いてはいけないのには理由があります。
まず、叩く動作をする際には、ポールを振り上げることになります。その瞬間に足元に入り込まれ、距離がグンと詰まってしまいます。
また、叩く動作よりも、突く動作のほうが重心が安定しやすく、疲れにくいという特徴があります。また、その分だけ素早い動作も可能となります。
熊との位置関係
熊と闘う際、熊の経っている位置が斜面の上だと、こちらにとって分が悪いです。上から襲ってくる熊は、飛んでアタックしてくるので、まともに受けてしまうと倒されます。
そのため、もしも自分のほうが下に位置するのであれば、アタックされた際に身体を低くして、いちど攻撃をかわしつつ自分が上になるようにしましょう。
手の届く範囲に掴める小木などがあれば、掴んで身体を反転させてかわすのも良いでしょう。そして熊が斜面の下になるようにして、ポールで突いてください。
熊と闘うときにあったほうが良い装備
熊スプレーや熊対策の鈴・ホーンなど、あったほうが良いグッズはたくさんあります。
ただ、熊と闘う際には、フェイスガード付きのヘルメットがあったほうが良いです。
前述の通り、熊は頭や顔をめがけて攻撃してきます。正面からだけでなく、後から襲ってきたときでも顔をパンチしてきます。
そのときにフェイスガード付きのヘルメットであれば、しっかりと熊を正視して、気持ち的にも余裕をもって対処できるはずです。
オートバイなどで使うようなフルフェイスのヘルメットでは音が遮断されますし、視界も狭くなりがちです。また、重くて暑いので、被って歩くとすぐに熱中症になってしまい、おすすめできません。
熊対策になるようなしっかりとしたヘルメットを使用してください。
プロトス®のヘルメットを推奨しておりました。

プロトス®ヘルメットは、その機能性だけではなく、どのヘルメットよりもフィットし、軽く感じるのも魅力です。
可能であれば複数人での行動を
熊と対峙して怪我を最小限にして家に戻るためには、一人でも無謀なことではありませんが、できる限り複数人で行動したほうが良いです(山に入る際には、北海道犬や甲斐犬などの狩猟犬と一緒に行くのもおすすめです)。
それぞれに熊撃退ポールを携行し、万が一に備えましょう。
使用上の注意
熊撃退ポールは、熊と闘うことになったときを想定して設計されたものです。絶対に人やペットなどに向けて使用しないでください。
また、普段は付属のカバーを装着してください。
さらに、ツキノワグマ対策として販売しているものですので、ヒグマへの使用は推奨できません(ツキノワグマとヒグマは、同じ熊であっても身体の大きさや力、習性にも違いがあります)。
原生林の熊熊害が激増しておりますが、熊によって怪我をしてしまう人が減るようにと祈っております。
今後も熊対策となる商品の企画や販売をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。





