
こんにちは!原生林の熊です!
今回は、書籍発売のお知らせです。
三才ブックスより、熊に襲われて逃げ延びた人々のドキュメントをまとめた書籍が発売されました。
三才ブックス『ドキュメント クマから逃げのびた人々』
私を含め、8人の事例が載っています。
単に「襲われたときはどのような状況だったのか」といった事実だけではなく、熊から身を守る方法やどうしたら熊と共存できるのか、学びのある内容なのではないかなと思います。
また、平成以降の熊害死亡事故一覧なども掲載されています。
熊対策を真剣に考える方、今後自分が熊に出会ってもおかしくないなと感じている方、家族や友人、大切な人を熊から守りたいと思う方にこそ、読んでいただきたい一冊です。


目次(一部抜粋)
- きのこ採りの最中 子連れ母グマに襲われ 一部始終が動画に
- 背後からの不意打ちで 頭部をやられ大流血 クマの姿はまったく見えず
- 瀕死のヒグマと格闘 繰り出した右拳が 相手の口の中に——
- 自宅裏の畑で突然 クマが藪から現れ 右目を失明
- 地下鉄駅そばでまさか 24時間続く痛みと PTSDに今も苦しむ
- 人気キャンプ場の深夜 クマにテントごと 引きずられ右膝負傷
- 顔面を執拗に噛まれ 前例のない重症を負うも 「痛いと言ったら負け」
- 血まみれになりながら 取っ組み合いで 命がけの戦いを制す
このほか、「北海道のヒグマ最新情報と未来を見据えた対策」「本州・四国のツキノワグマ 生態や現状とこれからの課題」「救急医療の現場から学ぶ クマから命を守る方法」「日本で始めてベアドッグを導入 軽井沢町のクマ対策の20年」など
読みどころ満載です。
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この事件の前までも、熊に会ったことは何度もありますし、知り合いの猟師さんからの話もたくさん聞いておりました。
「熊が襲ってきたらどうするか」といったシミュレーションもしていましたし、熊対策を行って入山していました。
ただ、やはり実際に格闘して分かったことは大きいです。熊の動きを実際に目の当たりにして、熊の爪と牙を身体で受け、「どうすれば熊から身を守れるのか」がさらに深く分かるようになりました。
その内容についても書籍執筆のための取材時にお話ししています。
熊から身を守る
「これだけ持っていれば大丈夫!というものはありますか?」「熊に絶対に会わないようにする方法は?」と、質問をいただくときもあります。
熊に絶対に会いたくない。もしも万が一、会ってしまってもすぐに確実に撃退したい。そういった気持ちはみなさん同じです。
ただ、魔法の杖のような「これだけあれば安全」というグッズはないのが事実です。
では、どうすればいいのか…
会わないために熊に逃げてもらう
- 複数人、または犬と一緒に行動する
- 熊鈴をつける
- 可能であればホイッスルや声などで定期的に音を出す
まずは最低限この3つを行いましょう。
目的は「こちらが熊に気づく前に、熊にこちらの存在を気づいて逃げてもらう」ことです。
そのために、音を最大限に活用するのがポイントです。
戦意を喪失させる
状況が飛びますが、もし熊が向かってきたら熊の爪や牙が自分の身体に届く前に「戦意を喪失させる」のが最も安全な方法です。
\熊に会った距離や親子か否かなどのさらに詳しい状況別の対応はこちら/


「自分より強い」と分かれば熊も戦う気がなくなるでしょうが、残念ながら人間は熊より強いと言えません。
そこで「熊撃退スプレー」が活躍するわけです。
ただ、1万円以下の安いものを購入するのはおすすめできません。なぜかというと、熊を撃退するのに必要な成分が必要なだけ含まれていない可能性が高いからです。
安いものを買って、熊との距離が8m以下という「いざ!」という時に噴射して、熊に全く効かずにただ怒らせただけだったとしたら…
次の瞬間起こることは——
「使うか使わないか分からないからあまりお金をかけたくない」という気持ちも分かりますが、そこにかけなかった1~2万円と引き換えに自分の命をなくしてしまうのは避けてほしいです。
熊対策スプレーは、購入しても効くか効かないかを試すことができません(噴射距離を試す、いざというときのために噴射の練習をするのは可能ですが、効くかどうかは熊に向かって噴射しないと分からないです)。
そのため、信頼できるメーカーから販売されたものを購入するようにしましょう。
一人でも、熊によって被害にあう方が減るようにと祈っております。



